甲状腺の腫瘤
甲状腺の腫瘤(しこり)について
- 甲状腺にしこりを触れるものをいい、自覚症状はほとんどありません。
- しこりは20歳~50歳代の女性に多くみられます。
- しこりは、良性結節と悪性腫瘍(がん)に分けられます。
- 悪性腫瘍(がん)であっても甲状腺のがんは、適切な治療を行えば治しやすいがんです。主治医の指示に従い治療に望んでください。
-
良性結節
甲状腺腺腫
腺腫様甲状腺腫悪性腫瘍
甲状腺がん
悪性リンパ腫
甲状腺腫
- 甲状腺の良性結節で、甲状腺の左右のどちらか一方にがひとつできるのが特徴です。
- しこり以外には何も症状がありません。
腺腫様甲状腺腫
- 左右の甲状腺に大小さまざまの大きさのしこりがいくつかできるものをいいます。
- がんや橋本病との鑑別が大切です。
甲状腺がん(分化がん、未分化がん、髄様がん)
- 甲状腺がんは、他のがんに比べ男性より女性の方が多くかかりやすいがんで、若年にも多いがんです。
- 進行が遅く、治りやすい分化がん(乳頭がん、濾胞がん)がほとんどですが、長期間あった分化がんが急に悪性度が増し、死に至る未分化がんもあります。
腫瘤の検査
- しこりが良性か悪性であるか見分けます。
- 方法には、内分泌血液検査、超音波検査、細胞診などがあります。
- 場合によってさらに、CT(コンピュター断層撮影)、X線検査、シンチグラフィーなどを行います。
腫瘤の治療
- 良性結節
- 良性結節であることがはっきりすれば、そのまま放置しても日常生活には問題がありません。
- 甲状腺ホルモン剤を服用していると、だんだんしこりが小さくなることもあるので、それでしばらく様子をみるこもあります。
- 定期的な経過観察が必要です。
- 悪性腫瘍
- 組織型により予後は異なりますが、手術が基本です。
- 進行が遅いのできれいにとることができます。
- まれにある悪性リンパ腫は、放射線治療や化学療法で効果があります。
日常生活について
- 日常生活の中で特に制限はありません。
- 定期的な受診に心掛けてください。