日時 令和元年6月1日(土)
演題 「糖尿病と慢性心不全」
講師 味岡 正純 先生
(公立陶生病院 院長)
講演内容
心不全とは、どんな病気だろう
- 急性・慢性心不全診療ガイドライン
- 定義
- 心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。
- 心不全のステージ分類とは?
- 心不全は、突然発症するのでない
- 心不全は、段階的に進行し、発症する
- 心不全の症状
- 肺うっ血→息切れ、呼吸困難
- 低心拍出→低血圧、動悸、疲れやすい
高齢化社会における心不全の変容
- 今や心不全で入院する患者の中心は80歳以上になっている
- 高齢で治癒困難な慢性心不全患者の増加
- ⇓
- 再入院を予防して生活の質の維持
糖尿病患者さん、心不全のステージA
- 糖尿病はあっても、心臓病の既往もなく、ご自分は心臓は悪くないと思っていた高齢者が、まるで突然のように心不全を発症する
- 高齢心不全患者では、ステージBの段階を経ずに心不全を発症してくる患者が目立っている
血糖値の改善だけでは改善が得られにくい大血管障害
- 糖尿病と心臓疾患の関係
- 糖尿病が進行するほど、心臓発作が増加することは確認されていた
- しかし、多くの努力にもかかわらず、糖尿病の治療、つまり血糖値のコントロールでは、心臓疾患を減らすことは、確認できなかった
- どのような薬を使って、どのように血糖値を下げればよいのか、模索が続けられた
- 重症低血糖発作が起こる患者では心血管関連の合併症が急増した
- (ADVANCE試験)
新しい糖尿病治療薬は、最も期待できる心不全予防薬に変わった
- SGLT2阻害薬
- エンパ‐レグ アウトカム試験(心臓疾患を合併した糖尿病患者さんに投与した研究)
- 心不全による入院を4年間で38%減
- 全死亡においても4年間で33%減
- 他の試験おいても飲む方がよい結果
- ⇓
- 長年探していた心血管合併症に対する突破口を手に入れた!
- エンパ‐レグ アウトカム試験(心臓疾患を合併した糖尿病患者さんに投与した研究)